肉の手帖

牛肉の個体識別番号から分かること。個体識別情報検索サービスの使い方

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牛の個体識別の結果画面

日本では、残念ながら過去に何度か、牛肉の産地偽装事件が起こっています。そのため商品ラベルの産地に敏感な方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は「牛の個体識別情報検索サービス」というシステムを使うと、誰でも牛の正しい産地を自分で調べられます。今回はこのシステムについてお伝えしたいと思います。

「牛の個体識別情報検索サービス」で調べます

牛の個体識別情報検索サービス」は、独立行政法人家畜改良センターが運営しているwebサービスです。まずその使い方を、順を追って説明します。

1. まずサイトにアクセスします。→ こちら

牛の個体識別情報検索サービスのホームページ(画像:家畜改良センター「牛の個体識別情報検索サービス」より)

2. 上のようなページに移動したら、緑色のメニュー「個体識別番号の検索」をクリックします。すると、下のようなページに移動します。

牛の個体識別情報検索サービス・利用規約(画像:家畜改良センター「牛の個体識別情報検索サービス」より)

3. ページの下のほうにある「同意する」のボタンをクリックすると、下のような画面に移動します。

牛の個体識別情報の検索画面(画像:家畜改良センター「牛の個体識別情報検索サービス」より)

4. 黒い部分に買ってきたお肉のラベルに書いてある個体識別番号を入力します。10桁の数字です。そして最後に「検索」ボタンをクリックします。

牛の個体識別情報検索の結果画面(画像:家畜改良センター「牛の個体識別情報検索サービス」より)

このように、牛の品種や生まれた日、生まれ育った都道府県、また画像ではモザイクですが、育てた人やと畜された施設などを調べられます。

商品ラベルに表示される産地は、最も長く育てられた施設の所在地

皆さんが購入した牛肉の商品ラベルに表示される産地は、法律で「牛が最も長く育てられた地域」と決められています。生まれた場所=産地ではないので、注意してください。

商品ラベルの産地が正しいかどうか調べるには、以下のような手順を踏みます。

1. 各施設にいた期間を計算する

まず「牛の個体識別情報検索サービス」の検索結果画面にあった「異動年月日」から、それぞれの「飼養施設所在地」にいた期間を計算します。次の画像を例にやってみましょう。

牛の個体識別情報の検索結果サンプル

山田太郎さんのところにいた期間は、2行目「転出」した年月日(2018.08.10)から、その直前の「出生」の年月日(2017.11.20)を引きます。だいたい9ヵ月くらいですね。

さて、この牛は市場を経由して、鈴木一郎さんに譲られました。鈴木さんのもとで過ごした期間は、6行目「転出」の年月日(2020.07.13)から、鈴木さんのもとへやってきた5行目「転入」の年月日(2018.08.10)を引きます。およそ2年です。

つまり、この牛は、生まれたのは「東京都」ですが、最も長く育てられたのは「千葉県」です。よって、法律上の産地は「千葉県」となります。

この「最も長く育てられた施設の所在地」と「商品ラベルの産地」が食い違っていた場合、それは産地の表示が誤っていることになります。もちろんそのようなことがないよう、関係者の皆さんが細心の注意を払っていますので、こうした事態はまず起こりません。

牛肉が、外国生まれかどうかも調べられる

ちなみに輸入された牛の場合は、輸入国名が表示されます。

輸入牛を牛トレーサビリティで調べた結果画面日本家畜輸出入協議会「輸入牛のトレーサビリティ制度について」独立行政法人家畜改良センター「牛の個体識別情報検索サービス」より引用)

こちらの牛はオーストラリアから輸入された牛だと分かります。

ちなみに国産牛の定義も、先ほどと同じで「日本で最も長く育てられた牛」です。そのため輸入された牛でも、日本で過ごした期間のほうが長ければ、国産牛と表示できます。

仮にアメリカで3ヵ月、オーストラリアで4ヵ月、日本で5ヵ月を過ごした牛がいるとしましょう。この牛は日本で育った期間が最も長いため、ラベル上は国産牛と表示できます。ですが、実際は外国暮らし(7ヵ月)のほうが長いです。

より詳しく知りたい方は、以下もご覧ください。

外国生まれの牛も「国産牛」と表示できる。国産の定義を理解しよう。

このように牛の個体識別情報検索サービスを使えば、牛の産地や生涯を誰でも詳しく知ることができます。ぜひ有効に活用してみてくださいね。

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